仙台高等裁判所 昭和57年(ふ)8号 決定 1982年7月14日
申立人
川村〓
右の者に対する詐欺、有印公文書変造、同偽造、同行使、詐欺未遂、公文書毀棄、公印偽造、有印私文書偽造、同行使、公正証書原本不実記載、同行使被告事件(昭和五七年(う)第二二号)について、昭和五七年六月二一日当裁判所の言渡した判決中訴訟費用負担の裁判に対し、申立人からその裁判の執行免除の申立があつたが、申立人は訴訟費用を完納する資力があるものと認められ、右申立は理由がないから当裁判所は、次のとおり決定する。
主文
本件申立を棄却する。
異議申立書
貴庁昭和五七年(ふ)第八号事件の決定に対し異議の申立をします。
貴庁昭和五七年(う)第二二号詐欺等被告事件について、昭和五七年六月二一日貴裁判所から言渡された判決中、私に対し、訴訟費用負担の言渡しがあつたので、これに対し執行免除の申立をしたところ、その申立を棄却する旨の決定通知がありましたが、私には、同決定書に記載されてある
「訴訟費用を完納する資力があるものと認められ……」
如き何ら資力はなく、
かつて妻名儀にしてあつた土地も、昭和五五年の秋売却して生活費にあててしまい(この事実は調査していただければわかります)
此の度の刑事々件の第一審弁護人を私選で依頼したことについても、七年間掛けていた生命保険二本を解約してそれにあてたもので、故に控訴審においては、金がない為国選弁護人に弁護してもらつた事実は既知の通りです。
盛岡市に在住する家族は市営住宅に入居しており、現在妻は、子育てと生活の為、市内の美容院にパートで勤めていて最低の生活をしております(調査していただければわかります)
以上のような状態ですので訴訟費用負担の資力がありませんので、何卒、御調査、再度御審議の上、訴訟費用の負担を免除して下さるよう、異議の申立をする次第です。
昭和五七年七月一八日
右申立人 川村〓
仙台高等裁判所
御中